オウンドメディアを運営していると、「成果が出ているのかわからない」「どの数値を追うべきか迷う」という悩みを抱える方は少なくありません。オウンドメディアのKPI設定は、運用の成否を左右する重要な要素です。適切なKPIを設定することで、チーム全体が同じ目標に向かって取り組み、PDCAサイクルを効果的に回すことができます。しかし、立ち上げ期と成熟期では追うべき指標が異なるため、フェーズに応じた柔軟な設定が求められます。本記事では、オウンドメディアのKPI設定方法について、運用フェーズ別の具体的な指標から成功のコツまで徹底的に解説します。
- オウンドメディアにKPIが必要な理由と設定の基本
KPIを設定することで、運用の方向性が明確になり、チーム全体で効率的にPDCAを回せるようになります
- 運用フェーズ別の具体的なKPI指標
立ち上げ期・成長期・成熟期それぞれで追うべき指標は異なり、段階に応じた設定が成功の鍵となります
- KPI設定で失敗しないためのコツと注意点
現実的な目標設定と定期的な見直しを行うことで、継続的な改善と成果につなげることができます
オウンドメディアのKPIとは
KPIとKGIの違い
KGIは最終的に達成したいゴールであり、KPIはそのゴールに至るまでの道しるべとなる指標です。たとえば、「年間の問い合わせ件数100件」がKGIであれば、月間セッション数やコンバージョン率がKPIになります。
KGIを設定せずにKPIだけを追いかけると、本来の目的から外れた施策に時間を費やしてしまう可能性があります。まずは事業全体の目標を明確にし、そこから逆算してKPIを設計することが重要です。
KPIを設定する目的
KPIを設定する最大の目的は、運用の成果を数値で可視化し、改善サイクルを回しやすくすることです。定性的な評価だけでは、何が成功で何が失敗なのかの判断が難しくなります。
また、KPIがあることでチームメンバー全員が共通認識を持てるようになります。目標が曖昧なままでは、各担当者がバラバラの方向に努力してしまい、成果が分散してしまうことがあります。
KPIがないと起こる問題
KPIを設定せずにオウンドメディアを運営すると、いくつかの問題が発生しやすくなります。まず、施策の効果検証ができないため、何が成功したのかがわかりません。
成果の判断基準がないと、運営を続けるべきか撤退すべきかの意思決定も困難になります。経営層への報告も曖昧になり、予算獲得や継続判断にも影響を及ぼします。
| 状況 | KPIあり | KPIなし |
|---|---|---|
| 成果の判断 | 数値で明確に評価可能 | 感覚的な判断になりがち |
| 改善の方向性 | 優先順位が明確 | 何から手をつけるか迷う |
| チームの連携 | 共通目標で一体化 | 各自がバラバラに動く |
| 経営報告 | 具体的な数値で説明 | 抽象的な報告になる |

KPIは単なる数値目標ではなく、チーム全体を同じ方向に導く羅針盤のような役割を果たします。まずは自社のKGIを明確にするところから始めてみましょう。

オウンドメディアのKPI設定手順
運営目的の明確化
最初に取り組むべきは、オウンドメディアの運営目的を明確にすることです。目的によって追うべきKPIは大きく異なります。
リード獲得が目的なのか、ブランド認知向上が目的なのかによって、重視すべき指標は変わってきます。目的が曖昧なままKPIを設定すると、成果に結びつかない指標を追いかけることになりかねません。
オウンドメディアの主な運営目的
- リード獲得・問い合わせ増加
- ブランド認知・信頼性向上
- 採用活動への貢献
- 既存顧客のエンゲージメント強化
KGIの設定方法
運営目的が明確になったら、次はKGIを設定します。KGIは具体的な数値目標として設定することが重要です。
「問い合わせを増やす」ではなく「月間問い合わせ数50件」のように、測定可能な形で設定しましょう。また、達成期限も明確にすることで、逆算してKPIを設計しやすくなります。
KPIへの落とし込み
KGIが決まったら、それを達成するために必要な中間指標をKPIとして設定します。KGIとKPIの間に因果関係があることが重要です。
たとえば、「月間問い合わせ50件」というKGIに対して、「月間セッション数10万」「コンバージョン率0.5%」といったKPIを設定します。この因果関係が明確でないと、KPIを達成してもKGIに結びつかないという事態が起こります。
| 設定項目 | 具体例 | ポイント |
|---|---|---|
| 運営目的 | リード獲得 | 事業戦略との整合性を確認 |
| KGI | 月間問い合わせ50件 | 数値と期限を明確に |
| KPI | 月間セッション10万 | KGIとの因果関係を確認 |
| KPI | コンバージョン率0.5% | 改善可能な指標を選定 |
現実的な数値設定
KPIの数値は、現実的に達成可能な範囲で設定することが大切です。高すぎる目標はチームのモチベーションを下げる原因になります。
過去の実績データがあれば、それを基準に成長率を加味して設定します。新規メディアの場合は、業界の一般的な数値を参考にしつつ、徐々に自社に合った目標値を見つけていくアプローチが有効です。

KPI設定は「目的→KGI→KPI」の順番で進めることがポイントです。この流れを意識すると、一貫性のある目標設計ができますよ。
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フェーズ別のKPI指標
立ち上げ期の指標
立ち上げ期は、メディアの基盤を作る時期です。この段階でコンバージョン数を追いかけても、そもそもアクセスが少ないため成果は期待できません。
立ち上げ期に重視すべきは、コンテンツの量と質を担保するための指標です。具体的には、記事公開本数、インデックス数、検索順位の変動などを追跡します。
立ち上げ期のKPI例
- 月間記事公開本数
- インデックス登録数
- 対策キーワードの検索順位
- 記事の品質スコア(社内基準)
成長期の指標
成長期は、アクセス数が徐々に増え始める時期です。この段階では、集客に関する指標を中心にKPIを設定します。
セッション数、ページビュー数、オーガニック検索からの流入数などが成長期の主要KPIとなります。また、ユーザーの行動指標として滞在時間や回遊率も重要な指標になります。
| 指標カテゴリ | 具体的な指標 | 目安となる数値例 |
|---|---|---|
| 集客指標 | 月間セッション数 | 前月比110%以上 |
| 集客指標 | オーガニック流入数 | 全体の60%以上 |
| 行動指標 | 平均滞在時間 | 2分以上 |
| 行動指標 | 直帰率 | 70%以下 |
成熟期の指標
成熟期は、一定のアクセス数を確保できている状態です。この段階では、いよいよコンバージョンに直結する指標を重視します。
問い合わせ数、資料請求数、会員登録数など、事業成果に直結するKPIを設定する段階です。また、リピーター率やメールマガジン登録数など、長期的な関係構築に関する指標も追加で設定することが効果的です。
フェーズ移行の判断基準
どのタイミングで次のフェーズに移行すべきかは、メディアの状況によって異なります。一般的には、現在のフェーズのKPIが安定的に達成できるようになった時点が移行のタイミングです。
たとえば、立ち上げ期のKPIである記事公開数と検索順位が安定してきたら、成長期の集客指標にシフトします。焦って次のフェーズに移行すると、基盤が不安定なまま成果を追いかけることになり、結果的に遠回りになることがあります。

フェーズに合ったKPIを設定することで、無理のない成長を実現できます。焦らず段階的にステップアップしていきましょう。
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オウンドメディアのKPI測定方法
活用すべき測定ツール
オウンドメディアのKPI測定には、複数のツールを組み合わせて使用することが一般的です。代表的なツールとしては、Googleアナリティクスやサーチコンソールがあります。
Googleアナリティクスではアクセス数やユーザー行動を、サーチコンソールでは検索パフォーマンスを確認できます。これらは無料で利用できるため、まずはこれらのツールをしっかり活用することが重要です。
| ツール名 | 主な測定項目 | 特徴 |
|---|---|---|
| Googleアナリティクス | セッション数、CV数、滞在時間 | ユーザー行動の詳細分析 |
| サーチコンソール | 検索順位、クリック数、表示回数 | SEOパフォーマンスの把握 |
| ヒートマップツール | クリック位置、スクロール深度 | ページ内行動の可視化 |
| MAツール | リード情報、スコアリング | 営業連携に活用 |
レポーティングの頻度
KPIのレポーティングは、定期的に行うことが重要です。頻度は指標の性質によって使い分けることをおすすめします。
日次で確認すべき指標、週次でまとめる指標、月次で振り返る指標を分けて管理すると効率的です。たとえば、アクセス数は日次で、コンバージョン数は週次で、全体の傾向分析は月次で行うといった形です。
データ分析のポイント
数値を見るだけでなく、その背景にある要因を分析することが重要です。数値が上がった・下がったという結果だけでなく、なぜそうなったのかを考える習慣をつけましょう。
施策との相関を見ることで、効果的な施策とそうでない施策を見極められます。また、季節要因や外部環境の変化も考慮に入れることで、より正確な分析が可能になります。
データ分析で確認すべきポイント
- 前期比・前年比での変化
- 施策実施前後の数値変動
- 流入チャネル別のパフォーマンス
- 高パフォーマンス記事の共通点

測定と分析を習慣化することで、データに基づいた意思決定ができるようになります。まずは週次でのレポーティングから始めてみてはいかがでしょうか。

オウンドメディアKPI達成のコツ
チーム体制の整備
KPI達成には、適切なチーム体制が欠かせません。誰がどの指標に責任を持つのかを明確にすることが重要です。
責任者が不明確だと、KPIが未達成でも誰も改善に動かないという状況に陥りやすくなります。各KPIに対してオーナーを設定し、定期的に進捗を報告する仕組みを作りましょう。
PDCAサイクルの回し方
KPI達成のためには、PDCAサイクルを継続的に回すことが必要です。計画を立て、実行し、結果を確認し、改善するというサイクルを繰り返します。
特に重要なのは、Check(確認)とAction(改善)のフェーズを怠らないことです。実行しただけで終わってしまうと、効果的な施策とそうでない施策の区別がつかなくなります。
| フェーズ | 具体的なアクション | 頻度の目安 |
|---|---|---|
| Plan | 施策の計画と優先順位付け | 月次 |
| Do | 計画に基づいた施策実行 | 日次〜週次 |
| Check | KPIの進捗確認と効果検証 | 週次 |
| Action | 改善点の特定と次回計画への反映 | 月次 |
KPI見直しのタイミング
一度設定したKPIも、状況の変化に応じて見直すことが大切です。外部環境の変化や事業戦略の転換があった場合は、KPIも合わせて調整する必要があります。
定期的な見直しの機会として、四半期ごとのKPI振り返りミーティングを設定することをおすすめします。このタイミングで、KPIが現状に合っているか、達成可能な水準になっているかを確認します。
失敗しやすいパターン
オウンドメディアのKPI運用でよくある失敗パターンを知っておくことも重要です。事前に把握しておくことで、同じ轍を踏まずに済みます。
代表的な失敗パターンとしては、KPIの数が多すぎる、達成不可能な高い目標を設定する、測定できない指標をKPIにする、などがあります。シンプルで測定可能なKPIを少数に絞ることが成功への近道です。
KPI設定で避けるべきこと
- 指標の数が多すぎる(5個以内が目安)
- 測定が困難な定性的指標の設定
- KGIとの因果関係が不明確
- 達成不可能な高すぎる目標値

KPI達成のコツは、シンプルな指標設計と継続的な改善です。最初から完璧を目指さず、運用しながら最適化していく姿勢が大切ですよ!
よくある質問
- オウンドメディアのKPIは何個くらい設定すべきですか
-
KPIは3〜5個程度に絞ることをおすすめします。指標が多すぎると、どれに注力すべきか判断が難しくなり、チームのリソースが分散してしまいます。重要度の高い指標を厳選し、それらを確実に追跡・改善することが効果的です。
- 立ち上げたばかりのオウンドメディアでコンバージョンをKPIにしてもよいですか
-
立ち上げ期にコンバージョン数をメインのKPIにすることはおすすめしません。まだアクセス数が少ない段階では、コンバージョンの母数が限られるため、有意な改善が見込めないためです。まずは記事公開数やインデックス数など、基盤づくりの指標から始めましょう。
- KPIが未達成の場合はどうすればよいですか
-
まずは未達成の原因を分析することが重要です。目標設定が高すぎたのか、施策の実行が不十分だったのか、外部要因があったのかを切り分けます。原因が特定できたら、次の期間に向けて改善策を立てるか、必要に応じてKPI自体を見直しましょう。
- オウンドメディアのKPIはどのくらいの頻度で見直すべきですか
-
基本的には四半期に一度の見直しが目安となります。ただし、事業環境が大きく変化した場合や、現在のKPIが実態に合わなくなったと感じた場合は、適宜見直しを行うことが大切です。定期的な振り返りの機会を設けておくとスムーズです。
まとめ
オウンドメディアのKPI設定は、メディア運営の成功に欠かせない重要なプロセスです。KPIを適切に設定することで、チーム全体が同じ方向を向いて取り組むことができ、効果的なPDCAサイクルを回すことが可能になります。
KPI設定の際には、まず運営目的を明確にし、KGIを設定した上で、因果関係のあるKPIに落とし込むことが重要です。また、立ち上げ期・成長期・成熟期というフェーズに応じて、追うべき指標を変えていく柔軟さも求められます。
KPIは設定して終わりではなく、定期的な測定と分析、そして見直しを行うことで初めて機能します。本記事で紹介した手順とコツを参考に、自社のオウンドメディアに最適なKPI設計に取り組んでみてください。継続的な改善を重ねることで、確実に成果につながるメディア運営を実現できるはずです。
