SEO対策を本格的に実施するなら、専門ツールの導入は欠かせません。中でもAhrefsは世界中のSEO専門家に愛用されている強力なSEOツールです。競合分析、キーワード調査、バックリンク分析など多機能を搭載していますが、初めて使う方には機能が多すぎて戸惑うことも。本記事では、Ahrefsの基本的な使い方から実践的なSEO活用法まで、ステップバイステップで解説します。効果的なSEO戦略を立てるために必要な機能や分析方法を理解し、自社サイトの検索順位向上につなげていきましょう。
Ahrefsとは?SEOツールとしての位置づけ
Ahrefsは、世界中のSEO担当者やウェブマーケターに広く利用されている総合SEO分析ツールです。2010年に設立され、現在では最も信頼性の高いSEOツールの一つとして認知されています。競合他社の分析からキーワード調査、バックリンクの追跡まで、幅広い機能を提供しています。
Ahrefsの最大の特徴は、世界最大級のバックリンクデータベースを保有していることです。検索エンジンのクローラーに次ぐ規模のウェブクローラーを運用しており、常に最新のデータを収集・分析することができます。このデータ収集力がAhrefsの分析精度を支える重要な要素となっています。
Ahrefsの主要機能とできること
Ahrefsには様々な機能が搭載されていますが、主な機能は以下の通りです。SEO初心者から上級者まで、サイト分析に必要なほぼすべての機能を網羅しているため、一つのツールで多角的なSEO対策が可能になります。特に競合サイト分析やキーワード調査の精度は他ツールと比較しても非常に高いと評価されています。
- Site Explorer:特定のウェブサイトやURLの詳細分析
- Keywords Explorer:キーワード調査と検索ボリュームの確認
- Content Explorer:特定のトピックに関する人気コンテンツの発見
- Rank Tracker:キーワードランキングの追跡
- Site Audit:ウェブサイトのSEO上の問題点診断
これらの機能を活用することで、競合サイトの分析、効果的なキーワード選定、質の高いバックリンク獲得など、SEO戦略全般をカバーすることができます。次の章からは、それぞれの機能の具体的な使い方と活用法について詳しく解説していきます。
他のSEOツールとの違い
SEOツールは他にもSEMrushやMozなど様々なものがありますが、Ahrefsには独自の強みがあります。特にバックリンク分析においては、最も広範囲かつ高精度なデータを提供しており、競合サイトの分析や自社サイトのリンク状況把握において非常に役立ちます。また、使いやすいインターフェースと直感的な操作性も特徴です。
Ahrefsのもう一つの強みは、データの更新頻度の高さです。ウェブは常に変化しているため、最新のデータに基づいた分析が重要になります。Ahrefsは他のツールと比較して、より頻繁にデータを更新しているため、最新のSEO状況を把握するのに適しています。
さらに、Ahrefsは単なるデータ提供だけでなく、データを基にした具体的な改善提案も行ってくれます。例えば、競合サイトとの比較から自社サイトの弱点を浮き彫りにし、改善すべき点を示唆してくれる機能もあります。このような総合的なアプローチがAhrefsの大きな特徴と言えるでしょう。
Ahrefsの基本的な使い方と初期設定
Ahrefsを効果的に活用するためには、まず基本的な操作方法と初期設定を理解する必要があります。ここでは、アカウント作成から初期設定、ダッシュボードの見方まで、Ahrefs初心者が押さえておくべき基本事項を解説します。
Ahrefsは有料ツールですが、7日間の無料トライアル(7ドル)も用意されています。まずはトライアルを利用して、実際の機能や使い勝手を確認することをおすすめします。初めての方でも直感的に操作できるよう設計されていますが、基本的な設定方法を知っておくことで、より効率的に活用することができます。
アカウント作成と料金プラン
Ahrefsのアカウント作成は非常に簡単です。公式サイトにアクセスし、メールアドレスとパスワードを登録するだけで完了します。料金プランは主に4種類(Lite、Standard、Advanced、Enterprise)あり、分析できるプロジェクト数やキーワード数、レポートの詳細度などが異なります。自社のウェブサイト規模や目的に合わせて選択することが重要です。
各プランの主な違いは以下の通りです。小規模なウェブサイトであればLiteプランでも十分な機能を利用できますが、複数サイトを運営している場合や、より詳細な分析が必要な場合は上位プランを検討するとよいでしょう。
プラン名 | 月額料金 | 主な特徴 |
---|---|---|
Lite | $99 | プロジェクト5件、キーワード追跡500件 |
Standard | $199 | プロジェクト10件、キーワード追跡1,500件 |
Advanced | $399 | プロジェクト25件、キーワード追跡5,000件 |
Enterprise | $999 | プロジェクト100件、キーワード追跡10,000件 |
まずは7日間のトライアル(7ドル)を利用して、機能や使い勝手を確認することをおすすめします。トライアル期間中でもすべての機能を試すことができるので、自社のニーズに合ったプランを見極めるのに役立ちます。
ダッシュボードの基本操作
Ahrefsにログインすると、まずダッシュボード画面が表示されます。ここでは、最近分析したサイトやプロジェクトの概要が確認できます。ダッシュボードの上部には主要な機能へのナビゲーションメニューがあり、Site Explorer、Keywords Explorer、Site Auditなどの機能に簡単にアクセスできるようになっています。各機能の特徴と基本的な使い方は以下の通りです。
- Site Explorer:分析したいサイトのURLを入力するだけで、そのサイトのバックリンク状況、オーガニックキーワード、トラフィック推移などが確認できます。
- Keywords Explorer:調査したいキーワードを入力すると、検索ボリューム、難易度、関連キーワードなどが表示されます。
- Site Audit:自社サイトの技術的なSEO問題をスキャンし、改善点をリストアップしてくれます。
- Rank Tracker:重要なキーワードの検索順位を追跡し、時系列での変化を確認できます。
各機能は直感的に操作できるようデザインされていますが、初めて使う場合は公式ヘルプドキュメントやチュートリアル動画を参考にすると良いでしょう。また、データの見方や解釈については、次章以降で詳しく解説していきます。
プロジェクト設定と初期分析
Ahrefsを継続的に活用するためには、プロジェクト設定を行うことをおすすめします。プロジェクトとは、特定のウェブサイトに関する分析設定や追跡情報をまとめたものです。プロジェクトを設定することで、サイト監査の定期実行、キーワードランキングの自動追跡、競合サイトとの比較など、継続的なSEO分析が可能になります。以下の手順でプロジェクトを設定しましょう。
- ダッシュボード上部の「Project」をクリック
- 「New Project」ボタンを選択
- プロジェクト名と対象サイトのURLを入力
- 追跡したいキーワードの設定
- サイト監査の設定(頻度や対象ページ数など)
プロジェクト設定が完了すると、対象サイトの初期分析が自動的に開始されます。分析結果はダッシュボードに表示され、サイトの健全性スコア、検出された問題点、キーワードランキングの状況などが一目で把握できるようになります。初期分析の結果を基に、改善すべき点や優先的に取り組むべき課題を特定していきましょう。
Site Explorerを使った競合分析と自社サイト診断
Ahrefsの代表的な機能であるSite Explorerは、特定のウェブサイトやURLを詳細に分析するためのツールです。競合サイトの強みや弱みを把握したり、自社サイトの改善点を見つけたりするのに非常に役立ちます。ここでは、Site Explorerの基本的な使い方と実践的な活用方法について解説します。
Site Explorerは単なるサイト分析ツールではなく、競合サイトの成功要因を解明し、自社サイトの改善戦略を立てるための強力なインサイトを提供してくれます。バックリンク分析からオーガニックキーワードの調査まで、SEO戦略に必要な情報を包括的に収集することができます。
競合サイトの分析方法
競合サイトを分析することで、そのサイトがどのようにしてSEO成功を収めているのかを理解することができます。Site Explorerを使った競合分析では、主に「どのキーワードで上位表示されているか」「どのようなサイトからリンクを獲得しているか」「どのコンテンツが最も人気があるか」という3つの観点から調査します。具体的な手順は以下の通りです。
- Site Explorerにアクセスし、競合サイトのURLを入力
- 「Overview」で全体像(ドメインレーティング、被リンク数、キーワード数など)を確認
- 「Organic keywords」で上位表示されているキーワードを確認
- 「Backlinks」でどのサイトからリンクを獲得しているかを調査
- 「Top pages」で最もトラフィックを集めているページを特定
これらの情報を分析することで、競合サイトがどのようなSEO戦略を展開しているかが見えてきます。例えば、特定のキーワードに注力している、特定のタイプのコンテンツで成功している、業界の権威サイトから多くのバックリンクを獲得しているなどの傾向が把握できます。これらの知見を自社のSEO戦略に活かしていきましょう。
バックリンク分析の重要性と方法
バックリンク(被リンク)は、他のウェブサイトからあなたのサイトへのリンクのことで、Googleのランキングアルゴリズムにおいて重要な要素の一つです。Ahrefsのバックリンク分析機能を使うことで、自社サイトや競合サイトがどのようなバックリンクを獲得しているかを詳細に把握できます。これにより、効果的なリンク構築戦略を立てることが可能になります。
バックリンク分析の主なポイントは以下の通りです。まず「Backlinks」レポートで、どのサイトからリンクを受けているかを確認しましょう。ドメインレーティング(DR)の高いサイトからのリンクは特に価値があります。次に「Referring domains」で、リンク元のドメイン数を確認します。多様なドメインからリンクを受けていることが重要です。
さらに「Anchors」レポートでは、リンクのアンカーテキスト(リンクが設置されているテキスト)の分布を確認できます。自然なアンカーテキストの分布は、健全なリンクプロファイルの証です。これらの情報を基に、自社サイトのリンク獲得戦略を考えていきましょう。例えば、競合サイトがリンクを獲得している高品質なサイトをリストアップし、同様のアプローチでリンク獲得を目指すといった戦略が考えられます。
オーガニックキーワードの分析
Site Explorerの「Organic keywords」レポートでは、特定のサイトがどのキーワードで検索結果に表示されているかを確認できます。この機能を使うことで、競合サイトが注力しているキーワードや、思いがけず上位表示されているキーワードを発見することができます。これらの情報は、自社のキーワード戦略を立てる上で非常に有用です。
オーガニックキーワード分析で注目すべきポイントは、検索ボリューム、キーワード難易度、現在の順位、トラフィックポテンシャルなどです。検索ボリュームが多く、難易度が比較的低いキーワードは、狙い目と言えるでしょう。また、競合サイトが上位表示されているにもかかわらず、自社サイトが狙っていないキーワードも貴重な発見となります。
さらに、「Content Gap」機能を使うと、競合サイトが上位表示されているのに自社サイトがランクインしていないキーワードを簡単に特定できます。これにより、新たなコンテンツ作成のアイデアや既存コンテンツの最適化方針を得ることができます。例えば、複数の競合サイトが上位表示されているキーワードは、業界内で重要性が高く、自社サイトも狙うべきキーワードである可能性が高いです。
トップページ分析でコンテンツ戦略を立てる
Site Explorerの「Top pages」レポートは、分析対象サイトの中で最もトラフィックを集めているページを表示します。このレポートを活用することで、どのようなコンテンツが読者の関心を集め、検索エンジンから評価されているかを把握することができます。競合サイトのトップページを分析することで、効果的なコンテンツ戦略のヒントを得ることができるでしょう。
トップページ分析で注目すべき点は、ページのトピック、コンテンツの形式(ハウツー記事、リスト記事、比較記事など)、ページの構成、使用されているキーワードなどです。これらの要素を分析することで、成功しているコンテンツの特徴を見出すことができます。
例えば、競合サイトのトップページが主に「〇〇の選び方ガイド」のような教育的なコンテンツである場合、読者はその分野の基礎知識を求めている可能性が高いです。また、「〇〇ランキングTOP10」のようなリスト形式のコンテンツが人気を集めている場合は、読者が比較情報を求めていることがわかります。これらの洞察を基に、自社のコンテンツ戦略を練り上げていくことが重要です。
Keywords Explorerを活用したキーワード戦略
SEO成功の鍵を握るのは、適切なキーワード選定です。Ahrefsの「Keywords Explorer」は、キーワード調査のための強力なツールであり、検索ボリューム、キーワード難易度、クリック率など、キーワード選定に必要な情報を包括的に提供します。この章では、Keywords Explorerを使った効果的なキーワード戦略の立て方について解説します。
適切なキーワードを選定することで、ターゲットユーザーのニーズに応え、検索エンジンからの流入を増やすことができます。しかし、単に検索ボリュームが多いキーワードを狙うだけでは不十分です。競合状況や検索意図、キーワードの商業的価値なども考慮した総合的な戦略が必要です。Keywords Explorerはそのための様々な指標とツールを提供しています。
効果的なキーワード調査の進め方
キーワード調査は、SEO戦略の基礎となる重要なプロセスです。Keywords Explorerを使った効果的なキーワード調査では、まず広い視野でシードキーワード(基本となるキーワード)を入力し、そこから関連キーワードや派生キーワードを探っていくアプローチが有効です。具体的な手順は以下の通りです。
- 自社の製品・サービスに関連するシードキーワードをリストアップ
- Keywords Explorerに入力し、「Keyword ideas」を確認
- 表示された関連キーワードから、検索ボリュームやキーワード難易度を考慮して候補を絞り込む
- 選定したキーワードの検索意図(情報検索、商業的意図など)を確認
- 最終的なターゲットキーワードを決定
キーワード調査では、自社の事業領域に関連するキーワードを網羅的に把握することが重要です。Keywords Explorerの「Also rank for」や「Search suggestions」などの機能を活用すると、思いもよらなかったキーワードアイデアを発見できることがあります。また、「Questions」機能を使えば、ユーザーが特定のトピックについて抱いている疑問をキーワード形式で把握することができます。
キーワード難易度と検索ボリュームの見方
Keywords Explorerでは、各キーワードに対して「Keyword Difficulty(KD)」と「Volume」という2つの重要な指標が表示されます。キーワード難易度(KD)は0〜100のスケールで表され、数値が高いほど上位表示が難しいことを示します。検索ボリュームは月間の検索回数を表し、キーワードの人気度を測る指標となります。これらの指標を適切に解釈することが、効果的なキーワード選定の鍵となります。
一般的に、キーワード難易度が低く検索ボリュームが高いキーワードが理想的ですが、そのようなキーワードは限られています。実際のキーワード選定では、自社サイトの権威性やリソースを考慮し、現実的に上位表示を狙えるキーワードを選ぶことが重要です。例えば、新しいサイトや小規模なサイトであれば、まずはKDが30以下のキーワードから始めるのが賢明です。
また、検索ボリュームだけでなく「Clicks」(クリック数)も重要な指標です。検索ボリュームが高くてもクリック率が低いキーワード(例えば、Google自身が回答を提供する検索クエリなど)は、実際のトラフィック獲得につながりにくい場合があります。「Clicks per search」(検索あたりのクリック数)が高いキーワードを優先すると、より効果的なトラフィック獲得が期待できます。
ロングテールキーワードの発掘方法
ロングテールキーワードとは、複数の単語で構成される具体的な検索フレーズのことです。一般的に検索ボリュームは少ないものの、検索意図が明確で競合も少ないため、比較的容易に上位表示を狙うことができます。Ahrefsを使ったロングテールキーワードの発掘方法を紹介します。
- 「Phrase match」:入力したキーワードを含むフレーズを表示
- 「Having same terms」:入力したキーワードの単語を含むフレーズを表示
- 「Questions」:疑問形のキーワードを表示(「どうやって」「なぜ」「どこで」など)
- 「Also rank for」:上位表示サイトが同時にランクインしている他のキーワードを表示
ロングテールキーワードを活用する際のコツは、ユーザーの検索意図に合わせたコンテンツを作成することです。例えば、「プログラミング 勉強 方法」というキーワードが見つかった場合、「プログラミング勉強の効率的な5つの方法」といった具体的で実用的なコンテンツを作成するとよいでしょう。また、関連するロングテールキーワードをグループ化し、1つの包括的なコンテンツで複数のキーワードをカバーする「トピッククラスタリング」という手法も効果的です。
検索意図に合わせたコンテンツ計画
キーワードを選定する際には、そのキーワードを検索するユーザーの意図(検索意図)を理解することが非常に重要です。Googleは検索意図に合致したコンテンツを高く評価するため、選定したキーワードの検索意図を分析し、それに合わせたコンテンツを計画することがSEO成功の鍵となります。検索意図は大きく以下の4つに分類できます。
- 情報検索型:知識や情報を求める検索(例:「SEOとは」「風邪 症状」)
- ナビゲーション型:特定のサイトやページを探す検索(例:「Facebook ログイン」)
- トランザクション型:購入や行動を起こす意図がある検索(例:「iPhone 購入」)
- 商業的調査型:購入前の情報収集のための検索(例:「iPhone Android 比較」)
Keywords Explorerでキーワードを分析する際には、実際に検索結果ページ(SERP)を確認し、どのようなコンテンツが上位表示されているかをチェックしましょう。Ahrefsの「SERP」ボタンをクリックすると、現在の検索結果ページの状況を確認できます。例えば、上位に表示されているのが主に解説記事であれば情報検索型、レビューや比較記事であれば商業的調査型の検索意図と判断できます。
検索意図を把握したら、それに合わせたコンテンツ形式と構成を計画しましょう。情報検索型なら詳細な解説記事、商業的調査型なら比較表や長所・短所の分析を含めるなど、検索意図に最適な形でコンテンツを設計することが重要です。このアプローチにより、ユーザーの期待に応えると同時に、検索エンジンからの評価も高めることができます。
Site Auditで技術的SEO問題を発見・修正する
ウェブサイトの技術的な問題は、コンテンツの質が高くても検索順位に悪影響を与える可能性があります。Ahrefsの「Site Audit」機能は、ウェブサイトのSEO上の技術的問題を包括的に診断し、改善すべき点を明確に示してくれます。この章では、Site Auditの使い方と主要な技術的SEO問題の修正方法について解説します。
技術的SEOは、検索エンジンがウェブサイトをクロールし、インデックスし、ランク付けする際の基盤となる部分です。サイトの読み込み速度、モバイル対応、URLの構造、内部リンク、HTTPステータスコードなど、様々な技術的要素がSEOパフォーマンスに影響します。Site Auditを活用することで、これらの問題を効率的に発見し、修正することができます。
サイト監査の実行と結果の見方
Site Auditを実行するには、まずAhrefsのプロジェクトにサイトを追加する必要があります。サイト監査を開始すると、Ahrefsのクローラーがサイト全体をスキャンし、様々なSEO問題を検出します。監査結果は「Health Score」(健全性スコア)として0〜100のスケールで表示され、数値が高いほどサイトが技術的に最適化されていることを示します。具体的な手順は以下の通りです。
- Ahrefsダッシュボードから「Project」を選択
- 既存のプロジェクトを選択するか、新しいプロジェクトを作成
- 「Site Audit」をクリック
- クロールの設定(スキャンするURLの数、頻度など)を行い、「Start」をクリック
- クロール完了後、結果を確認
監査結果は、「Overview」「All issues」「Internal pages」「Content quality」などのタブに分かれて表示されます。「Overview」では全体的な健全性スコアや問題の概要を確認できます。「All issues」では検出された問題がエラー、警告、通知の3つのレベルに分けて表示され、各問題の影響度や修正の緊急性を判断することができます。
一般的な技術的SEO問題とその修正方法
Site Auditで検出される一般的な技術的SEO問題とその修正方法について解説します。これらの問題を修正することで、検索エンジンのクローラーがサイトを正確に理解しやすくなり、結果として検索順位の向上につながる可能性があります。主な問題と対処法は以下の通りです。
- ブロックされたリソース:robots.txtでクローラーがアクセスできないリソースがある場合は、必要に応じてブロックを解除します。
- 重複コンテンツ:canonicalタグを適切に設定し、同一コンテンツの複数URLを統合します。
- リダイレクトチェーン:複数のリダイレクトを経由せず、直接最終URLにリダイレクトするよう設定します。
- 404エラー:内部リンクが存在しないページを指している場合は、リンクを修正するか、必要に応じてページを復活させます。
- HTMLの問題:タイトルタグやメタディスクリプションの重複や長さの問題を修正します。
これらの問題を修正する際は、優先順位を付けることが重要です。エラーレベルの問題や、多くのページに影響する問題から着手するとよいでしょう。また、修正後は再度サイト監査を実行し、問題が解決されたことを確認することをおすすめします。
ページスピードとモバイル対応の最適化
現代のSEOにおいて、ページ読み込み速度とモバイル対応は非常に重要な要素です。GoogleはPage Experience Updateにより、ユーザー体験を重視するようになり、特にCore Web Vitalsと呼ばれる指標(LCP、FID、CLS)を重要視しています。Site Auditではこれらの問題も検出され、改善のためのアドバイスが提供されます。
ページスピードを改善するための一般的な方法には、画像の最適化、ブラウザキャッシュの活用、JavaScriptとCSSの最小化、不要なリダイレクトの削減などがあります。特に画像は多くのサイトでページサイズの大部分を占めるため、適切なフォーマット(WebPなど)と圧縮を使用することで大きな改善が見込めます。
モバイル対応については、レスポンシブデザインの採用や、モバイルでの読みやすさ(適切なフォントサイズ、タップ可能な要素の間隔など)の確保が重要です。Site Auditで「Mobile usability」の問題が検出された場合は、実際にスマートフォンでサイトを確認し、ユーザー体験を向上させるための調整を行いましょう。
内部リンク構造の最適化
内部リンク構造は、サイト内の重要なページに適切に「リンクジュース」(リンクの価値)を分配するために重要です。Site Auditの「Internal pages」レポートでは、各ページの内部リンク状況や、URLの深さ(ホームページからクリック何回でアクセスできるか)などを確認することができます。これらの情報を基に、内部リンク構造を最適化しましょう。
内部リンク最適化のポイントは以下の通りです。まず、重要なページには多くの内部リンクを向けることで、そのページの重要性を検索エンジンに伝えます。次に、関連性の高いページ同士をリンクで結び、トピッククラスターを形成します。これにより、特定のトピックに関する権威性を高めることができます。
また、ナビゲーションメニューやパンくずリストを活用して、サイト構造を明確にすることも重要です。ユーザーが迷わずに目的のページにたどり着けるサイト構造は、検索エンジンにとっても理解しやすく、クロールの効率化につながります。Site Auditで「Orphaned pages」(他のページからリンクされていないページ)や「Deep pages」(URLの深さが大きいページ)が検出された場合は、内部リンクの追加や構造の見直しを検討しましょう。
まとめ
本記事では、AhrefsのSEO活用法について詳しく解説してきました。Ahrefsは単なるSEOツールではなく、サイト分析、キーワード調査、競合分析、技術的SEO改善など、包括的なSEO戦略を立案・実行するための強力なプラットフォームです。基本的な使い方から応用テクニックまで、段階的に理解することで、効果的なSEO対策を実施することができます。
Site Explorerを使った競合分析では、成功している他サイトの戦略から学び、Keywords Explorerを活用したキーワード調査では、ターゲットオーディエンスのニーズに応える最適なキーワードを見つけることができます。また、Site Auditによる技術的SEO問題の発見・修正は、サイトの基盤を強化し、検索エンジンからの評価を高めるために不可欠です。
Ahrefsを効果的に活用するためのポイントは、定期的な分析と継続的な改善です。SEOは一度の対策で完了するものではなく、検索アルゴリズムの変化やユーザーニーズの進化に合わせて、常に戦略を見直し最適化していく必要があります。Ahrefsを日々の業務に取り入れ、データに基づいた意思決定を行うことで、持続的なSEO成果を上げていきましょう。