SNSが消費者の購買行動に大きな影響を与える現代において、従来のマーケティングフレームワークだけでは対応しきれない場面が増えています。そこで注目されているのが「SIPS」という消費行動モデルです。SIPSは、共感から始まり、情報確認、参加、そして共有・拡散へと続く一連のプロセスを体系化したものであり、SNSマーケティングにおいて欠かせない考え方となっています。本記事では、SIPSの基本的な概念から各プロセスの詳細、さらには実践的な活用方法までを解説します。AIDMAやAISASといった従来モデルとの違いを理解することで、より効果的なSNSマーケティング戦略を構築できるでしょう。
- SIPSの基本概念と4つのプロセス
SIPSは共感・確認・参加・共有拡散の4段階で構成され、SNS時代の消費行動を的確に捉えたモデルです
- AIDMAやAISASとの違い
従来モデルとの比較を通じて、SIPSがなぜSNSマーケティングに適しているかを理解できます
- SIPSを活用した実践的なマーケティング手法
各プロセスに応じた具体的な施策を実施することで、効果的なSNSマーケティングが実現できます
SIPSとは何か
SIPSが生まれた背景
SIPSは、TwitterやFacebookなどのSNSが急速に普及した時代背景から生まれました。従来のマスメディア中心のマーケティングでは、企業から消費者への一方的な情報発信が主流でした。
しかしSNSの登場により、消費者同士が情報を共有し、互いに影響を与え合うようになりました。この変化に対応するため、SNSを活用したマーケティングに特化したフレームワークとしてSIPSが開発されたのです。
4つのプロセスの概要
SIPSを構成する4つのプロセスについて、基本的な内容を整理します。
| プロセス | 英語表記 | 概要 |
|---|---|---|
| 共感する | Sympathize | SNS上の投稿やコンテンツに対して共感を覚える |
| 確認する | Identify | 共感した情報の信頼性や詳細を確認する |
| 参加する | Participate | いいねやコメント、購買など何らかの形で参加する |
| 共有・拡散する | Share & Spread | 自分の体験や感想をSNSで共有し拡散する |
このように、SIPSでは購買だけでなく「参加」という広い概念を取り入れている点が特徴的です。消費者が必ずしも商品を購入しなくても、SNS上での関与がマーケティング効果につながるという考え方が反映されています。
SIPSの活用が有効な業種
SIPSは特にBtoC企業のSNSマーケティングにおいて有効性が高いとされています。ファッション、化粧品、飲食、エンターテインメントなど、消費者の感情に訴えかける商材との相性が良いと考えられています。
また、若年層をターゲットとする企業にとっても、SNSネイティブ世代の行動パターンを理解するうえでSIPSは有用なフレームワークといえるでしょう。

SIPSはSNS時代に生まれた消費行動モデルです。共感から始まる点が従来モデルとの大きな違いですよ。
SIPSと他モデルの違い
AIDMAモデルとの違い
AIDMAは1920年代にアメリカで提唱された歴史あるモデルで、Attention(注意)、Interest(興味)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)の5段階で構成されています。
AIDMAとSIPSの最大の違いは、消費者行動のスタート地点にあります。AIDMAでは企業からの広告による「注意喚起」から始まりますが、SIPSでは消費者の「共感」から始まります。
| 比較項目 | AIDMA | SIPS |
|---|---|---|
| 提唱時期 | 1920年代 | 2011年 |
| 起点 | 企業からの情報発信 | 消費者の共感 |
| 主要メディア | マスメディア | SNS |
| ゴール | 購買行動 | 共有・拡散 |
AISASモデルとの違い
AISASは電通が2004年に提唱したモデルで、インターネット時代の消費行動を反映しています。Attention(注意)、Interest(興味)、Search(検索)、Action(行動)、Share(共有)の5段階で構成されています。
AISASでは検索行動が重視されており、消費者が能動的に情報を探すプロセスが組み込まれています。一方、SIPSでは検索よりも「確認」という表現を用い、SNS上での口コミや評判のチェックを重視している点が異なります。
また、AISASの「Action」が主に購買を指すのに対し、SIPSの「Participate」はいいねやコメントなど購買以外の関与も含む広い概念となっています。
各モデルの使い分け方
どのモデルを採用すべきかは、マーケティングの対象や目的によって異なります。以下のポイントを参考に、適切なモデルを選択することをおすすめします。
消費行動モデルの選び方
- マスメディア広告が中心の場合はAIDMAを検討する
- 検索エンジン経由の集客が重要な場合はAISASを検討する
- SNSでの拡散や口コミを重視する場合はSIPSを検討する
実際のマーケティング活動では、複数のモデルを組み合わせて活用することも効果的です。例えば、認知拡大段階ではAIDMA的なアプローチを取り、エンゲージメント強化段階ではSIPSを活用するといった使い分けが考えられます。

モデルの使い分けがポイントです。SNSを重視するならSIPS、検索重視ならAISASと覚えておきましょう。
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SIPSの各プロセスを解説
Sympathize(共感する)
SIPSの起点となるのが「共感」のプロセスです。消費者はSNS上で流れてくる情報の中から、自分の価値観や感情に響くコンテンツに対して共感を覚えます。
共感を得るためには、単なる商品訴求ではなく、ストーリー性のあるコンテンツや社会的価値を伝えるメッセージが効果的とされています。消費者の心に響くコンテンツを作成することが、SIPSマーケティングの第一歩です。
共感を生み出すコンテンツの要素としては、以下のようなものが挙げられます。
共感を生むコンテンツの要素
- 消費者の悩みや課題に寄り添った内容
- ブランドの世界観や価値観が伝わるストーリー
- 社会課題への取り組みなど共感を呼ぶテーマ
- ユーモアや感動など感情を動かす要素
Identify(確認する)
共感を覚えた消費者は、次にその情報の信頼性を確認するプロセスに移ります。SNS上での口コミやレビュー、公式サイトの情報などを参照し、自分が共感した内容が正しいかどうかを検証します。
この段階では、ポジティブな口コミや第三者からの評価が重要な役割を果たします。企業は一貫性のある情報発信と、ユーザーからの好意的なレビューを獲得する仕組みづくりが求められます。
確認のプロセスで消費者がチェックする主な項目は以下の通りです。
| 確認項目 | 確認手段 |
|---|---|
| 商品・サービスの品質 | 口コミサイト、レビュー |
| 企業の信頼性 | 公式サイト、企業情報 |
| 他者の評価 | SNSでの言及、コメント |
| 価格の妥当性 | 比較サイト、競合情報 |
Participate(参加する)
情報を確認した消費者は、何らかの形で「参加」する段階に入ります。SIPSにおける参加は、必ずしも購買を意味するわけではありません。
参加の形態は多様であり、SNSでのいいねやコメント、キャンペーンへの応募、イベントへの参加なども含まれます。企業にとっては、購買以外の参加機会を設けることで、より多くの消費者との接点を作ることが可能になります。
参加の度合いは段階的であり、軽い関与から深い関与まで幅広く存在します。ライトな参加としてはSNSでのフォローやいいね、中程度の参加としてはコメントや口コミ投稿、深い参加としては商品購入やファンコミュニティへの参加などが挙げられます。
Share & Spread(共有・拡散)
SIPSの最終段階は、体験や感想の共有・拡散です。商品を購入した消費者だけでなく、キャンペーンに参加した消費者なども、自らの体験をSNSで発信する可能性があります。
この共有・拡散が新たな共感を生み、SIPSのサイクルが循環していきます。つまり、SIPSは線形のプロセスではなく、循環するエコシステムとして捉えることが重要です。
共有・拡散を促進するためには、シェアしたくなるような体験設計や、ハッシュタグキャンペーンなどの仕掛けが有効とされています。

4つのプロセスは循環しています。共有・拡散が次の共感につながる流れを意識しましょう。
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SIPSを活用した実践法
共感を生むコンテンツ作成
共感プロセスを促進するためには、ターゲットとなる消費者の価値観や関心事を深く理解することが出発点となります。ペルソナ設定やカスタマージャーニーマップの作成を通じて、消費者インサイトを把握しましょう。
コンテンツ制作においては、商品の機能的価値だけでなく、情緒的価値や社会的価値を伝えることが共感獲得のポイントとなります。
共感コンテンツを作成する際のチェックポイントを以下にまとめます。
共感コンテンツのチェックポイント
- ターゲットの悩みや願望に寄り添っているか
- ブランドの個性や価値観が表現されているか
- 視覚的に魅力的で、スクロールを止める力があるか
- シェアしたくなる要素が含まれているか
信頼性を高める施策
確認プロセスにおいて重要なのは、消費者が情報を確認した際に信頼を獲得できる状態を整えておくことです。公式サイトやSNSアカウントでの一貫した情報発信が基本となります。
また、ユーザー生成コンテンツ(UGC)やインフルエンサーからの評価など、第三者の声を活用することも効果的です。消費者は企業発信の情報よりも、同じ消費者からの声に信頼を置く傾向があります。
| 施策 | 目的 | 効果 |
|---|---|---|
| レビュー収集の仕組み化 | 口コミ数の増加 | 信頼性向上 |
| UGCの活用 | リアルな声の発信 | 共感と信頼の両立 |
| 公式情報の充実 | 正確な情報提供 | 安心感の醸成 |
| お客様の声の公開 | 実績の可視化 | 購買意欲の向上 |
参加機会の設計方法
参加プロセスを促進するためには、消費者が気軽に関与できる機会を多く設けることが重要です。購買のハードルが高い場合でも、SNSキャンペーンやイベントへの参加など、ライトな接点から関係性を構築できます。
参加の敷居を下げる施策としては、フォロー&リツイートキャンペーン、アンケート企画、ハッシュタグ投稿キャンペーンなどが一般的です。参加者に対してインセンティブを提供することで、参加率を高めることができます。
参加後のフォローアップも重要であり、参加者との継続的なコミュニケーションを通じて、より深い関与へと導いていくことが望ましいです。
拡散を促す仕掛け作り
共有・拡散プロセスを促進するためには、消費者が自発的にシェアしたくなる体験や仕掛けを用意することが効果的です。
シェアを促す要素としては、驚きや感動を与える体験、独自性のあるビジュアル、話題にしやすいユニークなコンセプトなどが挙げられます。また、ハッシュタグを統一することで、投稿を集約しやすくなり、拡散効果を高めることができます。
シェアされたコンテンツに対して企業側からリアクションすることで、さらなる拡散やエンゲージメント向上につながる可能性があります。

実践では各プロセスに対応した施策をバランスよく組み合わせることが大切です!
SIPSを導入する際の注意点
短期的な成果を求めすぎない
SIPSは共感をベースにした関係構築型のマーケティングアプローチであるため、即座に売上に直結するわけではありません。短期的な成果を求めすぎると、本来の目的である信頼関係の構築がおろそかになる可能性があります。
中長期的な視点でエンゲージメントやブランドロイヤルティの向上を目標に設定し、適切なKPIを設計することが重要です。
一方的な発信に陥らない
SIPSは消費者との双方向コミュニケーションを前提としたモデルです。企業からの一方的な情報発信だけでは、共感を獲得することは難しいでしょう。
消費者からのコメントや反応に対して丁寧に応答し、対話を通じて関係性を深めていくことが求められます。SNS運用においては、投稿だけでなくエンゲージメント管理にも十分なリソースを割くことが重要です。
ターゲット設定を明確にする
SIPSを活用したマーケティングでは、誰に共感してもらいたいのかを明確にすることが不可欠です。ターゲットが曖昧なままでは、効果的なコンテンツ制作やコミュニケーション設計ができません。
ペルソナの設定や、ターゲット層がよく利用するSNSプラットフォームの選定など、事前の調査と戦略立案が成功の鍵となります。

SIPSの導入では長期的な視点とターゲットの明確化がポイントとなります。
よくある質問
- SIPSはBtoB企業でも活用できますか
-
SIPSは主にBtoC向けに開発されたモデルですが、BtoB企業でも活用できる場面はあります。特にLinkedInなどのビジネス向けSNSを活用したマーケティングや、業界内での情報発信においては、共感や信頼の構築という観点からSIPSの考え方を応用することが可能です。ただし、BtoB特有の意思決定プロセスを考慮した上で、適宜アレンジすることをおすすめします。
- SIPSとAISASはどちらを使うべきですか
-
マーケティングの目的やターゲットによって使い分けることが効果的です。検索エンジン経由での集客を重視する場合はAISAS、SNSでの拡散やコミュニティ形成を重視する場合はSIPSが適しています。また、両方のモデルを組み合わせて活用することも可能であり、顧客接点の特性に応じて柔軟に選択することをおすすめします。
- SIPSのKPIはどのように設定すればよいですか
-
SIPSの各プロセスに対応したKPIを設定することが効果的です。共感プロセスではリーチ数やインプレッション数、確認プロセスではサイト流入数や滞在時間、参加プロセスではエンゲージメント率やキャンペーン参加数、共有拡散プロセスではシェア数やUGC投稿数などが指標として考えられます。最終的なビジネス成果との関連性も意識しながら、段階的なKPIを設計することが望ましいです。
まとめ
SIPSは、SNS時代における消費者の行動パターンを「共感」「確認」「参加」「共有・拡散」の4つのプロセスで捉えた消費行動モデルです。従来のAIDMAやAISASとは異なり、消費者の共感を起点とし、購買だけでなく幅広い参加形態を重視している点が特徴です。
SIPSを効果的に活用するためには、各プロセスに対応した施策をバランスよく設計することが重要です。共感を生むコンテンツ作成、信頼性を高める情報発信、参加機会の設計、拡散を促す仕掛け作りなど、一連の取り組みを通じてSNSマーケティングの効果を高めることができます。
SNSが消費者行動に大きな影響を与える現代において、SIPSの考え方を取り入れることは、マーケティング戦略の強化につながるでしょう。まずは自社のターゲットや商材との相性を検討し、SIPSの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
