IPアドレス制限とは、特定のIPアドレスからのみシステムやサービスへのアクセスを許可するセキュリティ対策の一つです。企業のクラウドサービスや社内システムにおいて、不正アクセスを防ぐための基本的な手段として広く活用されています。近年はリモートワークの普及により、社外からのアクセス管理がより重要になっており、IPアドレス制限の導入を検討する企業が増加しています。本記事では、IPアドレス制限の基本的な仕組みから具体的な設定方法、メリット・デメリット、導入時の注意点まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。セキュリティ対策の第一歩として、ぜひ参考にしてください。
- IPアドレス制限の基本的な仕組みと役割
IPアドレス制限は、許可されたIPアドレスからのみアクセスを認める仕組みで、不正アクセスの防止に効果的です
- 具体的な設定方法と手順
クラウドサービスや社内システムでのIPアドレス制限は、管理画面から許可するIPアドレスを登録することで設定できます
- 導入時のメリットとデメリット
セキュリティ強化というメリットがある一方、リモートワーク対応やIPアドレス変更時の運用負荷には注意が必要です
IPアドレス制限の仕組み
IPアドレス制限を正しく活用するためには、まずその基本的な仕組みを理解することが重要です。どのような技術でアクセスを制御しているのか、詳しく見ていきましょう。
IPアドレスとは何か
IPアドレスとは、インターネットに接続されたすべてのデバイスに割り当てられる固有の識別番号です。住所のような役割を果たし、データの送受信先を特定するために使用されます。
IPアドレスには「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス」の2種類があります。グローバルIPアドレスはインターネット上で一意に識別される番号であり、プライベートIPアドレスは社内ネットワークなどの閉じた環境で使用される番号です。
IPアドレス制限で使用されるのは主にグローバルIPアドレスです。企業がインターネットサービスプロバイダ(ISP)から割り当てられた固定IPアドレスを登録することで、そのIPアドレスからのアクセスのみを許可する仕組みとなっています。
アクセス制御の基本原理
IPアドレス制限によるアクセス制御は、「ホワイトリスト方式」と「ブラックリスト方式」の2つの方法があります。一般的に企業のセキュリティ対策では、許可するIPアドレスのみを登録するホワイトリスト方式が採用されています。
ホワイトリスト方式では、事前に登録されたIPアドレス以外からのアクセスはすべて拒否されます。これにより、未知の脅威や不正アクセスに対して高い防御効果を発揮します。
アクセスがあると、システムは接続元のIPアドレスを確認し、許可リストと照合します。一致すればアクセスを許可し、一致しなければ拒否するという単純明快な仕組みです。
CIDR表記による範囲指定
複数のIPアドレスを効率的に管理するために、CIDR(サイダー)表記という方法が使用されます。CIDR表記では、IPアドレスの後ろにスラッシュと数字を付けることで、連続するIPアドレスの範囲を一括で指定できます。
たとえば「192.168.1.0/24」と記述すると、192.168.1.0から192.168.1.255までの256個のIPアドレスを一度に指定できます。企業の拠点ごとにIPアドレス帯域が異なる場合でも、効率的に管理することが可能です。
以下の表は、CIDR表記と指定可能なIPアドレス数の関係を示しています。
| CIDR表記 | サブネットマスク | 利用可能なIPアドレス数 |
|---|---|---|
| /32 | 255.255.255.255 | 1個 |
| /24 | 255.255.255.0 | 256個 |
| /16 | 255.255.0.0 | 65,536個 |
適切なCIDR表記を使用することで、管理者の負担を軽減しながら柔軟なアクセス制御を実現できます。

IPアドレス制限の仕組みは意外とシンプルです。許可リストに登録されたIPアドレスからのアクセスだけを通す、という明快なルールで成り立っています。

IPアドレス制限のメリット
IPアドレス制限を導入することで、企業のセキュリティ対策において多くのメリットを得ることができます。具体的にどのような効果が期待できるのか、詳しく解説していきます。
不正アクセスの防止効果
IPアドレス制限の最大のメリットは、許可されていない場所からの不正アクセスを確実に防止できることです。たとえパスワードが流出した場合でも、登録されていないIPアドレスからはログインできません。
サイバー攻撃の多くは、海外のサーバーや不特定多数の端末から行われます。IPアドレス制限を設定しておくことで、これらの攻撃を入り口で遮断することが可能です。
パスワード認証のみに依存したセキュリティ対策には限界があります。IPアドレス制限は、認証の前段階でアクセスを制御するため、多層防御の観点からも効果的な対策といえます。
情報漏洩リスクの軽減
企業の機密情報や顧客データを扱うシステムにおいて、情報漏洩は深刻な問題です。IPアドレス制限を導入することで、データへのアクセス経路を限定し、漏洩リスクを大幅に軽減できます。
社内ネットワークからのみアクセスを許可することで、退職者による不正なデータ持ち出しや、第三者による情報窃取を防ぐことができます。
以下は、IPアドレス制限による情報漏洩対策のポイントです。
IPアドレス制限による情報漏洩対策の効果
- 社外からの不正アクセスを物理的に遮断できる
- アクセス元の追跡が容易になる
- 内部統制の強化につながる
コンプライアンス対応への貢献
個人情報保護法やISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)などの規格・法令では、適切なアクセス制御の実施が求められています。IPアドレス制限は、これらのコンプライアンス要件を満たすための有効な手段です。
監査やセキュリティ認証の取得においても、IPアドレス制限の導入は評価されるポイントとなります。アクセスログと組み合わせることで、いつ、どこから、誰がアクセスしたかを明確に記録できます。
金融機関や医療機関など、高いセキュリティレベルが求められる業界では、IPアドレス制限は標準的なセキュリティ対策として位置づけられています。
運用コストの最適化
IPアドレス制限は、一度設定すれば継続的に効果を発揮するため、他のセキュリティ対策と比較して運用コストを抑えることができます。専用のハードウェアや複雑なソフトウェアを必要としない点も魅力です。
多くのクラウドサービスでは、標準機能としてIPアドレス制限が提供されています。追加費用なしで利用できるケースも多く、費用対効果の高いセキュリティ対策といえるでしょう。
以下の表は、主なセキュリティ対策の特徴を比較したものです。
| セキュリティ対策 | 初期コスト | 運用負荷 | 防御効果 |
|---|---|---|---|
| IPアドレス制限 | 低 | 低〜中 | 高 |
| 二要素認証 | 中 | 中 | 高 |
| VPN導入 | 高 | 高 | 非常に高 |
コストと効果のバランスを考慮しながら、自社に最適なセキュリティ対策を選択することが重要です。

IPアドレス制限は、低コストで高い効果が得られるセキュリティ対策です。まずはここから始めて、必要に応じて他の対策と組み合わせるのがおすすめですよ。
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IPアドレス制限の設定方法
IPアドレス制限の設定は、利用するサービスやシステムによって手順が異なります。ここでは、クラウドサービスを例に、一般的な設定の流れと注意点を解説します。
設定前の準備事項
IPアドレス制限を設定する前に、いくつかの準備が必要です。適切な準備を行うことで、設定ミスによるトラブルを防ぐことができます。
まず、自社で使用しているグローバルIPアドレスを正確に把握することが重要です。IPアドレスは、インターネットサービスプロバイダ(ISP)との契約内容によって、固定か動的かが異なります。
以下のチェックリストを参考に、設定前の準備を進めてください。
IPアドレス制限設定前のチェックリスト
- 自社の固定IPアドレスを確認する
- アクセスが必要な拠点をすべてリストアップする
- リモートワーク対応の有無を検討する
- 緊急時のアクセス手段を確保する
固定IPアドレスを持っていない場合は、ISPとの契約変更や、VPNの導入を検討する必要があります。
クラウドサービスでの設定手順
多くのクラウドサービスでは、管理画面からIPアドレス制限を設定できます。ここでは、一般的な設定手順を説明します。
設定画面では、許可するIPアドレスを入力し、保存するだけで制限が有効になります。複数のIPアドレスを登録する場合は、1行に1つずつ入力するか、CIDR表記で範囲指定します。
設定の基本的な流れは以下のとおりです。
| 手順 | 作業内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 1 | 管理画面にログイン | 管理者権限が必要 |
| 2 | セキュリティ設定を開く | メニューの場所はサービスにより異なる |
| 3 | IPアドレス制限を有効化 | 即座に反映される場合がある |
| 4 | 許可IPアドレスを登録 | 入力ミスに注意 |
| 5 | 設定を保存・確認 | 別端末でテストを推奨 |
設定を有効にする前に、必ず現在使用しているIPアドレスが許可リストに含まれていることを確認してください。
設定後のテスト方法
IPアドレス制限を設定した後は、正しく機能しているかテストを行うことが重要です。許可されたIPアドレスからのアクセスと、許可されていないIPアドレスからのアクセスの両方を確認します。
スマートフォンのモバイル回線を使用すると、異なるIPアドレスからのアクセステストが簡単に行えます。Wi-Fiを切断し、モバイルデータ通信でアクセスを試みることで、制限が正しく機能しているか確認できます。
テストの際は、以下の点を確認してください。許可IPアドレスからは正常にアクセスできること、許可されていないIPアドレスからはアクセスが拒否されること、エラーメッセージが適切に表示されることです。
トラブル発生時の対処法
IPアドレス制限の設定後、意図せずアクセスできなくなるトラブルが発生することがあります。このような事態に備えて、事前に対策を講じておくことが重要です。
多くのサービスでは、IPアドレス制限の例外設定や、緊急時のアクセス手段が用意されています。たとえば、特定のユーザーに対してIPアドレス制限を適用しない設定や、管理者専用のバイパス機能などです。
緊急連絡先やサポート窓口の情報を事前に控えておくことで、トラブル発生時に迅速な対応が可能になります。

設定自体は難しくありませんが、事前準備とテストが成功の鍵です。特に緊急時の対処法は必ず確認しておきましょう。
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IPアドレス制限の注意点
IPアドレス制限は効果的なセキュリティ対策ですが、導入・運用にあたっていくつかの注意点があります。これらを理解した上で、適切に活用することが重要です。
動的IPアドレスへの対応
多くの一般家庭や小規模オフィスでは、ISPから動的IPアドレスが割り当てられています。動的IPアドレスは定期的に変更されるため、IPアドレス制限との相性が良くありません。
動的IPアドレス環境でIPアドレス制限を利用する場合は、固定IPアドレスサービスの契約やVPNの導入を検討する必要があります。
以下の表は、IPアドレスの種類と特徴をまとめたものです。
| IPアドレスの種類 | 特徴 | IPアドレス制限との相性 |
|---|---|---|
| 固定IPアドレス | 常に同じアドレスが割り当てられる | 最適 |
| 動的IPアドレス | 接続のたびに変更される可能性がある | 不向き |
固定IPアドレスの取得が難しい場合は、他のセキュリティ対策との併用を検討してください。
リモートワーク環境への影響
IPアドレス制限を厳格に設定すると、社外からのアクセスが制限されます。リモートワークを導入している企業では、この点が課題となることがあります。
リモートワーク環境に対応するためには、VPNを経由したアクセスを許可するか、在宅勤務者に固定IPアドレスを付与する方法が考えられます。
セキュリティと利便性のバランスを考慮しながら、自社の働き方に合った運用方法を検討することが重要です。
IPアドレス変更時の運用負荷
オフィス移転やネットワーク構成の変更により、IPアドレスが変わることがあります。このような場合、IPアドレス制限の設定も更新する必要があります。
複数のシステムやサービスでIPアドレス制限を設定している場合、すべての設定を漏れなく更新することが求められます。管理対象が多いほど、運用負荷が高くなる点に注意が必要です。
IPアドレス制限の設定を一元管理できる仕組みを構築しておくと、変更時の作業効率が向上します。
IPアドレス変更時の対応チェックリスト
- 影響を受けるシステム・サービスをリストアップする
- 新しいIPアドレスを事前に確認する
- 切り替えのタイミングを計画する
- 設定変更後のテストを実施する
単独での限界と多層防御
IPアドレス制限は有効なセキュリティ対策ですが、これだけでは万全ではありません。IPアドレスの偽装(スプーフィング)や、内部からの不正アクセスには対応できない場合があります。
より強固なセキュリティを実現するためには、IPアドレス制限に加えて、二要素認証やアクセスログの監視など、複数の対策を組み合わせることが推奨されます。
セキュリティ対策は、単一の方法に頼るのではなく、多層的なアプローチで構築することが重要です。それぞれの対策の長所を活かし、短所を補い合う設計を心がけてください。

IPアドレス制限だけで安心せず、他のセキュリティ対策と組み合わせることで、より堅牢な防御体制を構築できます。
IPアドレス制限の活用場面
IPアドレス制限は、さまざまなシステムやサービスで活用されています。ここでは、代表的な活用場面とその効果について解説します。
クラウドサービスの保護
業務で利用するクラウドサービスにIPアドレス制限を設定することで、社外からの不正アクセスを防止できます。顧客情報や社内文書を扱うサービスでは、特に重要な対策となります。
グループウェアやCRM、会計システムなど、機密性の高い情報を扱うクラウドサービスには、IPアドレス制限の導入が推奨されます。
クラウドサービスの多くは、管理画面から簡単にIPアドレス制限を設定できるため、導入のハードルは比較的低いといえます。
管理画面へのアクセス制御
Webサイトやシステムの管理画面は、攻撃者にとって魅力的なターゲットです。管理者権限を持つアカウントが乗っ取られると、甚大な被害につながる可能性があります。
管理画面へのアクセスをIPアドレス制限で保護することで、不正ログインの試行自体を防ぐことができます。
WordPressなどのCMSでは、プラグインを使用してIPアドレス制限を実装することも可能です。管理画面のセキュリティ強化は、サイト運営の基本といえるでしょう。
社内システムの外部公開
取引先や協力会社と情報を共有するために、社内システムを外部に公開する場合があります。このような場面でも、IPアドレス制限は有効な対策となります。
許可する取引先のIPアドレスのみを登録することで、特定の相手にだけアクセスを許可できます。不特定多数への公開と比較して、セキュリティリスクを大幅に低減できます。
取引先との情報共有においては、IPアドレス制限とパスワード認証を組み合わせることで、より安全な環境を構築できます。
開発・テスト環境の保護
開発中のシステムやテスト環境は、本番環境と同等のセキュリティ対策が施されていないことがあります。このような環境をインターネット上に公開する際は、IPアドレス制限による保護が効果的です。
開発チームや関係者のIPアドレスのみを許可することで、未完成のシステムや脆弱性を含む可能性のある環境を保護できます。
開発環境のセキュリティ対策を怠ると、本番環境への侵入経路として悪用される恐れがあります。IPアドレス制限は、このリスクを軽減する手軽な対策です。

IPアドレス制限は、クラウドサービスから開発環境まで、幅広い場面で活用できます。自社の状況に合わせて、適切に導入を検討してみてください。
よくある質問
- IPアドレス制限を設定したら、自分もアクセスできなくなりました。どうすればよいですか?
-
許可リストに自分のIPアドレスが正しく登録されているか確認してください。サービスによっては、管理者向けの緊急アクセス手段が用意されている場合があります。また、サポート窓口に連絡して、設定のリセットを依頼することも一つの方法です。事前に緊急時の対処法を確認しておくことをおすすめします。
- 自宅からリモートワークをしていますが、IPアドレス制限を導入できますか?
-
自宅のインターネット回線が動的IPアドレスの場合、そのままではIPアドレス制限の利用が難しい場合があります。対策としては、固定IPアドレスサービスの契約、VPNの導入、または特定ユーザーをIPアドレス制限の対象外とする設定などが考えられます。自社のセキュリティポリシーに合わせて最適な方法を選択してください。
- IPアドレス制限と二要素認証は、どちらを導入すべきですか?
-
両方を導入することが理想的です。IPアドレス制限はアクセス元を制限し、二要素認証はユーザーの本人確認を強化します。それぞれ異なる観点からセキュリティを高めるため、併用することでより強固な防御体制を構築できます。導入の優先順位は、自社のリスク評価や運用体制に基づいて判断してください。
- IPアドレス制限の設定に費用はかかりますか?
-
多くのクラウドサービスでは、IPアドレス制限は標準機能として無料で提供されています。ただし、固定IPアドレスの取得やVPNの導入には別途費用が発生する場合があります。利用するサービスの料金体系を事前に確認することをおすすめします。
まとめ
IPアドレス制限は、許可されたIPアドレスからのみシステムへのアクセスを認めるセキュリティ対策です。不正アクセスの防止や情報漏洩リスクの軽減に効果的で、多くのクラウドサービスで標準機能として提供されています。
設定自体は比較的簡単ですが、事前に自社のIPアドレスを正確に把握し、リモートワーク環境への影響も考慮する必要があります。また、IPアドレス制限だけでなく、二要素認証やアクセスログの監視など、複数のセキュリティ対策を組み合わせることで、より強固な防御体制を構築できます。
セキュリティ対策の第一歩として、まずはIPアドレス制限の導入を検討してみてはいかがでしょうか。自社の業務形態やセキュリティ要件に合わせて、適切な運用方法を見つけていくことが重要です。

